Flower+1<お花のふるさとと知られざる魅力>

VOL.3 北海道・旭川「はせがわファーム」のスターチス・ルリタマアザミ

農園は旭岳を望むのどかな田園地帯の中

6月になってもなお山頂に白い残雪を抱く北海道最高峰・旭岳。その清らかな雪解け水に恵まれた旭川市は古くから米や野菜の栽培が盛んで、道道を走っていると青々と輝く田畑がどこまでも広がっているのが見えます。

今回訪ねた「はせがわファーム」があるのも、そんなのどかな田園地帯の真ん中。 車で10分ほどの場所には、かの有名な旭山動物園もあります。

冷涼な気候に適した花を厳選して育てています

「冬はあたり一面が雪原になりますよ」。
そう教えてくれたのは、代表を務める長谷川雅浩さん。 30年間務めた公務員を55歳で早期退職し、花農家に転身。現在は妻の由三子さんとともに10種類ほどの切り花のほか、食用のバラやブルーベリー、寒じめほうれん草などの野菜を栽培しています。

中でもいちばん栽培面積が広いのが、6月から10月にかけて最盛期を迎えるスターチス。ハウスの中で咲き誇る様子はまるでふわふわの綿菓子のようで、思わず見とれてしまいます。 一方、ハウスの外に広がる畑には、瑠璃色に輝く球形の花が美しいルリタマアザミが。こちらは露地栽培のため、出荷できるのは7月後半から8月頭までのわずか2週間のみなのだとか。

よりよい花のために、水や肥料の与え方にもこだわります

日持ちのいいことから、これまで仏花に使われることが多かったスターチス。けれど近年は、ブラシのような形をしたシニュアータスターチスに加え、枝分かれの細かいハイブリッドスターチスや、淡い黄色・ベージュなどのニュアンスカラーが登場したことで、アレンジ用の花材としても人気を集めています。
"はせがわファーム"では暑い時期でもきれいな花を届けるべく、栽培時にさまざまな工夫を凝らしています。


画像提供:はせがわファーム

「スターチスは大きく育てすぎると茎が柔らかくなって日持ちが悪くなってしまうんです。ですから、生育状況を確認しながら、水や肥料の量をコントロールし、できるだけしっかりとしたものをお届けできるよう心がけています」。ルリタマアザミも同様に、花のすぐ下の茎が固まるタイミングを見極めてから1本1本丁寧に切っているとのこと。
「手間をかけたぶん、きれいな花が咲いてくれる。自分の努力が目に見えるのが花農家のやりがいですね」

画像提供:はせがわファーム

そのままふわっと飾っても、スワッグやリースに活用しても

かすみ草のように、メイン花材の引き立て役として使われることの多いスターチスですが、"はせがわファーム"のものは主役としても存在感十分。
1本が長いシニュアータスターチスは何本かに枝分けすると、花器への収まりもよく、かわいらしい雰囲気に。
一方、ボリュームのあるハイブリッドスターチスは1本でもふわっと広がるので、そのまま飾るだけでも華やかになります。水から上げれば自然とドライになるので、ルリタマアザミをはじめドライにしやすい花材と組み合わせてスワッグやリースを作るのもおすすめです。

ドライフラワーとして長く楽しめるのも魅力です

切り花の中でも特に日持ちがよく、扱いやすいスターチスやルリタマアザミは、花生けに慣れていない人にもぴったりの花材。
とはいえ、夏場はどうしても茎が傷みやすくなるので、早めに水から上げてドライフラワーとして楽しんでみましょう。できるだけ風通しのいい場所に置くこと、直射日光に当てないことさえ心がければ、誰でも簡単にきれいなドライフラワーを作ることができます。お気に入りの場所に飾って、北海道の爽やかな空気をまとった可憐な姿をいつまでも眺めていたいものですね。

協力: OZmagazine[スターツ出版(株)]