【花農家のこだわり便interview】Vol:12
花農家のこだわり便の産地さんをインタビュー
神生バラ園(茨城県)-神生 潤一さん
‘’ 人に寄り添うバラを育てていきたい‘’
茨城県 筑波山麓のやさと地区。自然と人の暮らしが程よい距離感を保ち「にほんの里100選」にも選ばれた美しい里山にある神生バラ園。1974年からバラ生産をはじめ、現在は2代目の神生潤一さんが農園を担っています。バラ作りとともに営むショップの大きな窓辺には香りのよいバラが活けられ波打つように大きく花開いていました。レトロなストーブには暖かな炎が灯り、天井の棚のランプが見下ろす先には上品で柔らかな質感のラッピングペーパーが並びます。そんなつい長居をしたくなるような居心地のよい空間で、バラのお話をうかがいました。
Q. 個人の生産者としては沢山の品種を栽培されているそうですね。
A.
常に25品種位の種類のバラを育てています。最近は日本で育種された、日本にしかないバラ、日本でしか買えないものを多く取り入れています。「モナローム」とか「ブルーグラビティ」もそうですね。
毎年試作で何品種も植えています。切り花として軌道に乗せらせるのはわずかですが、新しい品種に挑戦するのはとてもワクワクします。
ここ数年はバラ以外のバラに添えられるフィアージュというか、添えるグリーンや草花も作っています。そのグリーンもマニアックなものが多いかな。縦にも横にもマニアックに広げています。
Q. バラの一番のこだわりを教えてください。
A.
僕はバラを「作る」じゃなくて「育てる」をポリシーにしています。植物主導なんですよね。植物が育つのをしっかりとサポートする。人が作るんではなくて育てる。よくバラ作りっていうけど、確かにバラ作りっていう言葉は人に伝える言葉としてはわかりやすいけど、だんだんと自分が作ってるっていう風に思いこんじゃう。そうじゃなくて、植物が育ってくれる力があってそれを最大限に引き出すサポートをするっていうのが、大事かなと思っています。
Q. 神生さんから見るバラの魅力はなんでしょうか。
A.
やっぱりすごい綺麗だもん(笑)バラしかやってない頃もきれいだとは思っていたけど、色んな、、っていってもまだ大したことはないけど、色んなグリーンとかいろんな草花に挑戦してみて、やっぱりバラって綺麗だなって思いますね。豪華だし、だけど可憐だし、人間でいうと全ての感情がそこに詰まっているような、、強さもあるし、はかなさもあるし、あそこまで感情的に表現するものってないですよね。そうそう、だから人の心を動かすんだなと思います。可憐だっていっても可憐にみえるし、ゴージャスだっていわれてもゴージャスに見える。多分その時の人の気持ちによって、受け取り方が変わるんですよ。きっと。だから昔からバラって人の心に寄り添うって、、そういうことなのかな。
Q. バラのおすすめな楽し方はありますか。
A.
ひとことでは難しいけれど、「香り」。香りがあるものとないものがあるけど、香りがあるバラっていうのはぜひその香りを楽しんでほしいです。でも香りがあると短命なので、いろんなバラが届いたら、香りのあるバラは最初によーくかわいがって、香りのないバラは長持ちしやすいので、そういうバラは色や形、咲いていく様子を楽しんでもらいたいです。
長持ちの工夫は、これはシンプルに切り花栄養剤を倍率を守って希釈して使っていただけるといいです。それと、花弁のケアですね。傷んだ花弁は毎日取り除く。花弁が傷んできて、ほっておくと付け根から一気にだめになってしまいやすいので。茶色くなってきた花弁があったら、その花弁はとってあげる。それをするだけで咲き方も変わってきますよ。
Q.皆さんにお伝えしたいことをお願いします。
Farmer’s Voice:
「華やか」「繊細」「たおやか」「可憐」…バラを表現する時ってどんな言葉も合うんですよね。そんな人に寄り添うバラを育てていきたいです。
お花農家さんの想いの詰まったお花のお届けまで、
楽しみにお待ちください!