FLOWER+1<お花のふるさとと知られざる魅力>
VOL.8 植物の力を感じるアフリカのネイティブフラワー
今、話題のワイルドフラワーって?
針山にびっしりと針を立てたように見える、野性的でエキゾチックな花姿。「ピンクッション」という名前は知らなくても、フラワーショップの店頭やおしゃれなカフェで見かけたことがあるという人も多いのでは? ここ数年で世界的に人気が高まっているのが、南アフリカやオーストラリア、ニュージーランドといった南半球の国を原産地とするワイルドフラワー。その土地特有の花という意味で、別名ネイティブフラワーとも呼ばれています。
大地のエネルギーを感じさせる力強い花姿が魅力
ワイルドフラワーには先に述べたピンクッションのほか、プロテア、セルリア、リューカデンドロンなどさまざまな品種があり、いずれも7月から12月初旬に最盛期を迎えます。最大の魅力は、照りつける太陽や大地のエネルギーをそのまま映したような、生命力あふれる花姿。年間10〜15品目を南アフリカから輸入している株式会社クラシックの江原喜代子さんによると、現地では野生に近い環境で露地栽培されているのだそうです。
現地・南アフリカの暮らしにも溶け込んでいます
▲現地のスーパーマーケットの生花コーナーに並ぶプロテア
「花びらが開いた姿が大きな王冠のように見えるキングプロテアは南アフリカの国花で、ラグビーのナショナルチームのエンブレムにも描かれています。地元の人にとってはなじみ深い花のひとつで、フラワーショップやスーパーの生花コーナーでもよく見かけますね。男性が女性にプロポーズするときにプロテアの花束を贈るのも定番となっているようです」。
一方、ウェディングブーケには〝頬を染める花嫁〟という意味を持つセルリア ブラッシングブライドという花がよく使われているそう。ワイルドフラワーのなかでは珍しく可憐な印象の花で、淡く儚げなピンク色も晴れの日のシーンにぴったり。ここ日本でも、アンティークカラーのバラなどと合わせて、ウェディングブーケや会場装花に取り入れる人が増えています。
数種類を一緒に飾るだけで洗練された雰囲気に
大ぶりで主張の強い花が多いワイルドフラワー。なかでも存在感抜群のプロテアは、一輪挿しで楽しむのが王道です。一方で、ワイルドフラワー同士を数種類組み合わせて飾るのもおすすめ。丈のある花器にラフに活けるだけでもお互いを引き立て合い、おしゃれなインテリアになりますよ。グリーンを組み合わせる場合はユーカリなど原産地の近いものが似合いますが、これからの季節は針葉樹系と合わせると冬らしい演出に。
ドライにして長く楽しめるのもうれしい
ワイルドフラワーは他の花と比べてとにかく手がかかないのが魅力。水が濁らないよう、事前に水に浸かる部分の葉をしっかり取り除いておけば、こまめな水換えや切り戻しはほとんど必要ありません。またドライにして長く楽しめるのも特徴です。水に活けると少しずつ開いてくるので、好みの咲き姿で水から上げ、スワッグなどにして飾るのも素敵です。
協力: OZmagazine[スターツ出版(株)]